天然彼女の愛し方(完全版)



いつか

こいつはもっと綺麗になって
少女から女性になるのだろう



そして
その傍に当たり前のようにいるのが

俺という存在であって欲しい



なんでこんなに大切なんだろうか

その理由は分からない


理屈なんかじゃ説明できない



ただ、傍にいるって事で安心できる

時々不安にはなるが
それでも、求めているもの以上のものを返そうとしてくれる



ゆっくりでいいんだ


ゆっくりがいいんだ



求めているものは
こんな風に、穏やかな空気だったんだ



…髪の感触が気に入って触っていたら
目の横に取れたまつげが一本かかっているのに気づいて手で払った


それがくすぐったかったらしく
微かに身をよじった




幸せって

形にしたらこんな形なのかもしれない




柄にもない事を思いながら

すっかり開いた髪の毛の間から見えるおでこに
そっと唇をおとした







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