天然彼女の愛し方(完全版)




『春華に触るな、俺の女だ』



…どうして



『…美紗緒さんはどうしたんだよ』




…どうして



『別れたよ、画像は消した
もう心配することなんて無い』



…どうして?





感じるのは
懐かしい体温


後ろから抱きしめられているから余計聞こえる
懐かしい鼓動



私の目からは
涙がぽろぽろ溢れ出してきた






『はいはい分かりました…邪魔者は消えるんでごゆっくり』


零夜君はわざとらしく肩をすくめて校舎のほうへ歩いて行った



「れ、廉君?」



私まだ
『俺の女』でいていいの?





< 86 / 248 >

この作品をシェア

pagetop