天然彼女の愛し方(完全版)
がやがやといつにも増して騒がしい教室の中
「い~や~だぁ~!!」
カーテンで区切られた一角から聞こえてくる
その子にしては珍しい大きな声
『あーっもう!何でもいいって言ったからにはこれでやってもらうんだからね!』
「優香ちゃんの馬鹿~!!」
まあ、もう分かるとは思いますが
叫んでいるのは春華です
―遡る事1ヶ月…―
『えー、じゃあ一応クラスでの出し物は、えー、これに決定します
えー、皆さん短い時間ですが、えー、頑張りましょう』
『春華、あいつこの時間中『えー』って何回言った?』
優香ちゃん…
もうちょっと真面目に聞きましょうよ
今はLHR中
もうすぐ文化祭があるからそれについての話し合いだった
私たちのクラスでは定番の喫茶店をやることになって
だけどそれだけじゃつまらないって優香ちゃんが言い出して…
「…コスプレなんて私嫌だよ」
『ちょっと!『えー』の答えになってないし
それにクラスのみんなで決定したんだからもう変えられるわけないでしょ』
ぷくーっと頬を膨らまして講義する優香
ぶりっ子に見えないのは優香の持ち味だろう