嘘つき④【-理由-】
―――…そうして、今。
あたしは飲み干したグラスを傾けた。
あの人、もうすぐ、来るかしら。
何も言わない終わりは一番後悔するかもしれないけれど。
私はきっと近い内、決して消えない感情に疲れて、背中を向ける。
逃げ出す準備は明日の取り引きが終われば全て整う。
カッコ悪いわね。知ってるわ。
こんなの一番嫌いなのに。
琴ちゃん、ごめんね。
男に産まれれば良かった。あの人の隣に、何の障害もなく当たり前の様に存在できる。
琴ちゃんの、必死に伸ばす腕だって、ずっと掴んであげたかった。時折見せる、暗い瞳が欠けている何かだったのかもしれないと思うと泣きそうになる。
幸せに
幸せになってほしい。
誰かが優しく包んでくれる様に。
あたしのたった一人の妹。