【短】君だけのヒロイン
「事故に巻き込まれたのって、若い子?」
「そうそう。若い男の子でね、道路を横切ろうとしたときに車と接触したんですって」
―若い男の子…
あたしは嫌な予感がした。
体が強ばる。
あたしは無理やり人混みを掻き分けて、事故にあったという若い男の子の方へ駆け付けた。
「うそ…」
事故にあった若い男の子って…
樹くん…?
あたしは体中の力が抜けていく感覚に陥った。
「うそっ……うそでしょ!?樹くん!!樹くんっ!!」
あたしは倒れこんでいる樹くんの手を握った。
「樹くん!!どうして!!樹くんっ……」
あたしの目から涙がこぼれ落ちる。