病んでいても愛したい。
「かぐ、ら……」
「……」
床上で足を伸ばし、頭を俯かせる人。
右手にはカッター。
左腕はキャンパス。
床に捨てられた白い包帯、血を吸ったガーゼも散らばり、引きちぎられていた。
彫刻の真っ最中。
腕と首、伸ばした太ももをズボンごと切り裂いて肉を一閃する。
「……」
私の目の前で、また一本印を左腕につける人がいた。
「う、そ……」
よろめき、膝をつく。
衝撃的だった、殺人現場でも見たかのよう。
実際、“彼女”は己を殺すつもりでしているんだろう。
「っ……」
這って、彼女に抱きついた。
血の感触と匂い。
構わず抱きしめた。
神楽じゃないのは知っていた。
神楽なら私の前でこんなことをしない。
こんなことをしなくても、神楽は知っているから。