心のピエロ

【恋心その７】


ピエロは、
彼女の特別な人には
なれませんでした。




彼女には
彼女の想い人がいたから
当然でした。



いつか
こんな日が来ると
覚悟していたハズが、

いざとなると
悲しみが止まりません。



毎日がこの日を恐れて、
怯えながら
過ごしていました。




ピエロは、
彼女に強要したかの
ような

一方的な愛を注いだのが
彼女の負担となった
原因でした。




愛深きゆえに
起こった終幕でした。




いつものように
笑ってくれる彼女は、
もう隣にいません。




ピエロは
涙をこらえました。




泣いてしまえば
ピエロの化粧が
落ちてしまうからです。




ピエロは
あくまでピエロを
突き通すため、

顔は笑い
心で泣きました。




この恋は
最後の恋にすると
決めていたピエロは、

人生の生きがいを失い
もう死んでもいいと
思いました。




だけど自分は、
笑いに身を捧げた
ピエロ…




……………