修学旅行★幼なじみと甘いキス
「…ってなわけだからさ
高橋ちゃん、ほんと急に誘ったりしてスゲー申し訳ないけど…
高橋ちゃん達さえ良ければ、いつでも俺らんとこ遊びに来てよ。
同じ班じゃないから呼ばねーとか、そーゆうの全然ないし
せっかくの修旅なんだし、こーゆう時こそクラス内の交流深めたいっつの?
むしろ人数多い方がスゲー楽しめるし。ほんと、それが一番の目的」


「……」


「それにあの翔が
来るか来ないかっつーだけで
あんなすっげムキになってんの見たのは、体育ん時のサッカー以来なんだよね。
しかもそれでアイツ自ら女の子まで誘っちゃうなんてさ。
一瞬「ハッ!?誰だよあいつ?(笑)」ってなるくらいビビってさ。
けど、…よっぽどのことなんだと思う」


そう言って
一瞬、健くんはどこかおちゃらけたように
冗談っぽくおどけて笑ってみせたかと思うと
どこかすごく真剣な顔つきでわたしを見た。


そしてしばらくわたしのことを黙って見ていたかと思うと
突然ニッと笑い


「んじゃ、俺はそろそろもう風呂行かねーと♪」


と、何やらウキウキしているのか
健くんは足早に自分たちの部屋へと戻っていった。



“他の女子メンもいるっつーか、
一応マドンナたちも来るって話だからさ”



健くんが居なくなったあともしばらくの間
わたしはひとり黙ってロビーに立ちすくんだまま…

それでも頭の中は
お昼のとき、バスで例の過激なゲームを
いとも簡単にやってのけた三浦さんの、あのくったくのない笑顔だけがいつまでも思い出されていたんだ。


「……」


< 296 / 473 >

この作品をシェア

pagetop