修学旅行★幼なじみと甘いキス
「つーかそれ、俺んだから。返してくんない?」
紙ヒコーキを握りしめたきり止まったままのわたしに
その人は中指をクイクイと動かしながら、今すぐソレを返すよう催促してくる。
でもそれは誰が見ても人をバカにしてるって口調で
思わず、わたしの瞳がじわっと熱くなった。
…なんで?
なんで居るの?
よりにもよって、どうして隣に座ってるの…っ?
「早く」
「……っ」
でもその理由なんて分かるはずも、聞けるわけもなくて。
ただギュッと唇をかみしめて思いをこらえるしか出来ないわたしは、
何ひとつ反論できないまま…
それでも精一杯の抵抗として
その男の机めがけて、わざと紙ヒコーキを投げて返す。
そしてすぐにプイっと顔を正面の紙へ戻すと
シャーペンを握りしめ、ガリガリと強くこう書いた。
苦手なもの:隣の席の人。
今わたしに向かって紙ヒコーキを飛ばしてきた人。
広瀬翔。
――わたしの、幼なじみ。
紙ヒコーキを握りしめたきり止まったままのわたしに
その人は中指をクイクイと動かしながら、今すぐソレを返すよう催促してくる。
でもそれは誰が見ても人をバカにしてるって口調で
思わず、わたしの瞳がじわっと熱くなった。
…なんで?
なんで居るの?
よりにもよって、どうして隣に座ってるの…っ?
「早く」
「……っ」
でもその理由なんて分かるはずも、聞けるわけもなくて。
ただギュッと唇をかみしめて思いをこらえるしか出来ないわたしは、
何ひとつ反論できないまま…
それでも精一杯の抵抗として
その男の机めがけて、わざと紙ヒコーキを投げて返す。
そしてすぐにプイっと顔を正面の紙へ戻すと
シャーペンを握りしめ、ガリガリと強くこう書いた。
苦手なもの:隣の席の人。
今わたしに向かって紙ヒコーキを飛ばしてきた人。
広瀬翔。
――わたしの、幼なじみ。