修学旅行★幼なじみと甘いキス
もっともっと、って何度も強引に求められるたび

わたしは体の力が一気に抜けていって、頭の中が…ぼうっとしてくる。


その感覚があまりに心地よくて、まるで夢を見てるみたい…。


だからこれは現実なんだって、夢なんかじゃないんだって

そう自分に言い聞かせるように、わたしも繋いだ翔の手をギュッと夢中で握りかえす。




「っ…加奈子…」

「…っ?」

「き、好きだ…」



ドキ…



あ…―――




「…っ、うん」



わたしも。

翔のことが好き、大好き……。



素直になれなかった頃は
思ってても、言えなかった。



だから今はこの時間が少しでも、終わらなければいい。


出来ればずっと、このままでいたいよ…―――。








「このゲームでもうすぐラストー!クライマックスでーす!」




夜の色もだいぶ深くなり

外から聞こえてくるキャンプファイヤーの様子もそろそろ終盤に差し掛かったころ


ホテルの部屋では
二人何も言わずに抱きしめ合っていたあと

翔が突然スッ…、と体を離す。
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