修学旅行★幼なじみと甘いキス
「だいたい、俺の横でいきなりゲロでも吐かれたらたまんねーからな」


それで助けてやっただけだっつの。


そんなことを考えていたら

まるで釘を刺すように、翔がひねくれた言葉をつけたしてきた。


…なにそれ。


こんなの、昔から言われ慣れているはずなのに
いちいち真に受けて、ムッとしてる自分がいる。



…でも、こんなわたしの異変に一番早く気が付いてくれて


やり方は強引でも、こうして待っててくれたってことは

少しはわたしのことも他の人と同じように見てくれてるって

そう思ってもいいのかな。



…思い過ごしかもしれないけど

ムリにでもそう自分に言い聞かせてみたら


いつもの憎まれ口も

ぶっきらぼうなその背中も

今は不思議と心地よく感じられて。


わたしは寄りかかるように翔の背中へ顔を近づけると、目を閉じた。
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