Iam金魚
ゆかりはカーテンをそっと開ける。
そこには黒塗りのBMWが道路側に止まっている。
「どうだ?」
和幸が心配そうに聞く。
「いる」
「やっぱり見張ってるんだよな」
煙草に火をつける。そして続けた。
「なぁ、国の組織って言ってたけど…俺の寿命伸ばせる奴とかいるのかな?」
ゆかりは窓の外から和幸に目線を移す。
「それは…分からないけど…」
「一回話してみないか?俺、いつ死ぬのかって頭ぐるぐる回ってて嫌なんだ。望みがあるなら…」

その時園実が言った。
「ママ、園実パパに死んで欲しくないよ」

しばらく考えてゆかりは決めた。

「話を聞きましょう」
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