彼女にキスの花束を

靴を履いて外に出ると空は赤みがかっていた。


「家まで送るよ。」

「大丈夫だよ。だって遠くなっちゃうでしょ?」


「大丈夫、大丈夫。結構親に自由にしていいよって言われてるから。」

「そうなんだ。」

「家に帰ってくればいいんだと。」

僕がお手上げのかっこをすると笑ってくれた。


「中城さんは時間とか大丈夫?今日も少し遅くなっちゃったし。」

「うーん。今日は特別かな。」


ちょっと照れた表情が男心がくすぐられる。

男なんてこんなもんだよね。


「送らせてよ。」

ね?と言うと、じゃあお願いしますと頷いてくれた。
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