【完】アニキ、ときどきキス
kiss6 *絡まるキス*
「今まで、ゴメンなさい」


次の日、穂高はみんなに素直に謝った。

みんな穂高の変わりように驚いているようだ。

遥はポカンと口を開けている。


「望ちゃん、魔法使い!?」


直太朗は立ち上がり、穂高の顔を色んな角度から覗き込む。


「そ、そんなに見ないでくださらない!?」


穂高がプイっとそっぽを向いた。

顔がすっごい真っ赤で可愛い。


私は思わず吹き出した。

みんなもそれにつられて笑った。



穂高も照れながら笑う。

子どもってどうしてこんなに割り切れるんだろう。
誰かをねたんだり、うらんだりそんなことはなくて・・・・・・。

相手の「ごめん」を素直に受け入れられる。

私は、そんな6年2組の子ども達が可愛くて仕方がなかった。



「うん。みんな、その顔が一番可愛い!
卒業までこうして笑ってすごそうね」



梅雨あけの7月。
6年2組は変わることができた。



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