【完】アニキ、ときどきキス
kiss8 *ほどけるキス*
「フンフーン」


私は鼻歌を歌いながら、目一杯女の子らしく見えるように選んだ、水色のワンピースのファスナーをあげた。

そして、姿見の中に映る自分をのぞき込み、話しかける。


「これって、初デート!?
・・・・・・きゃあ!」


テンションはマックスに上がっていた。

化粧もいつもより念入りにしたし・・・新君喜んでくれるかな?


ピンポーン


その時、玄関の呼び鈴が部屋の中に響いた。

新君かな!?


「はあい」


私はスキップをしながら玄関に向かった。
嬉しさで、足の痛みはどこかへ飛んでいってしまったらしい。


私はとびっきりの笑顔で扉をあけた。


「え!?どうして!?」



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