【完】アニキ、ときどきキス
kiss3 *僕じゃダメですか?*
「おはよう!」

いつもの時間、いつものように歩いていると、目の前にはちょんまげと金髪が。

この光景を見るたびに心がぽかぽかになる。


「望ちゃん、おはよう」


直太朗がニッコリ微笑んで挨拶を返す。

直太朗はとてもなつっこい性格で、私とすぐにうち解けた。


「もう、私これでも先生なんですけど。
・・・・・・遥も、おはよう」


「お、はよう」


遥が消え入りそうな声でボソっと呟く。

目をちょっとだけ合わせ、スタスタと前を歩いていく。


「遥、照れてる。可愛い!ね?」


直太朗が首をかしげながら私に尋ねる。


「うん、そうだね」


私は二人がいるなら、他の子ども達に無視され続けても一年間なら耐えられると思ってた。


それに・・・。

遥の後ろ姿を見つめながら、唇に手を当て、思い出す。


「新君もいるし、ね」


だけどその日の夜、事件は起こった。



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