【完】アニキ、ときどきキス
「ハア・・・・・・やっと終わった」


シュウウン


パソコンの画面が真っ暗になった所で、私はグンと背伸びをした。


時計を見るともう7時。

職員室に残されたのは私と、部活を終えて戻ってきた山田先生の二人だけ。


山田先生を見ていたらパチリと目があった。

山田先生はそんな私の視線に動じることなく、ニコリを微笑んで近づいてきた。


「北原先生、毎日お疲れ様です。
クラス、聞いてたよりも大丈夫そうですね?
何も問題起きてないみたいじゃないですか」


「あ・・・・・・はい、まあ。
そうですね」


私は力なく答えた。


「なんだか、そうでもないみたいですね。
何かあったらなんでも言って下さいね。
愚痴を聞くくらいなら、僕にも出来るんで」


山田先生は私の机の上にあがっていたカップを手に取ると、綺麗に洗ってココアを入れてくれた。


< 48 / 231 >

この作品をシェア

pagetop