【完】アニキ、ときどきキス
「どうぞ」


山田先生がほこほこと湯気が上がるカップを私に手渡す。


「ありがとう・・・・・・山田先生って若いのに気がききますよね」


私は山田先生からカップを受け取った。


「そうですか?」


「そうですよ。
だって、この前だって金平糖もらいましたし。
やっぱり慣れてます?」


私はクスクスと笑いながら冗談っぽく、山田先生に言葉をなげかけた。


「あれは、その・・・・・・」


山田先生は自分の手に持っていたカップに入ったココアを少しだけ口に含み、ゆっくり飲み干した。

そして、コトリとそのカップを教卓の上に置き、私の隣の席の椅子に腰をかけた。



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