【完】アニキ、ときどきキス
「その肩代わりしてくれた人がさ、すっげえいい人で・・・今お金が必要な状態に追い込まれててさ。
たくさんのお金が必要なんだ」


新君の背中が泣いているように見えた。

お酒の匂いがすごく、悲しい匂いに感じた。


「新君!」


私はつないだ手をキュっと力強く握りしめた。


「ん?」


新君が歩みを止め振り返る。


「同情なんかじゃないの・・・・・・」


私は新君を見つめて呟いた。


「昔は・・・あなたの味方だよって、そう上手く口で伝えられなくて、キスしたの」


「うん」


新君はとりとめもない私の話を、黙って聞き頷く。


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