アリスはウサギと恋をする


ぎゅっ


「えっ!?ケ…」

「しーっ!怖いんだろ?」

「えっと、そのっ…」


ケイがなんと手を繋いでくれた。

あたしのドキドキは激しくなるばかり。


「アリス、ここが出口よ。夜はちょっと怖いかもしれないけど、昼はこの木とか可愛いのよ♪」

アンはなぜかルンルンだ。

「そっ、そうなんだ」


「さ、ココに入って!」

あたしたちは木製のドアを開けて大きな部屋みたいなところに出た。

「わぁ…」

「綺麗でしょ?」

なにか壁がぽつぽつと輝いている。

キラキラというよりホタルみたいな優しい光だ。


手はまだつながれたままだ。


「けっ、ケイ!もう大丈夫だよ!?」

「…別に」

「いや、別に、じゃなくて!」

「じゃぁ、俺が怖いって言ったら?」

「明るいところが怖いなんて…「あるんだよ」


「え?」


「俺は、な。」



ケイの瞳が寂しそうに見えて、不安になった。


もう、手を離せなかった。

ケイの手の温かさを「愛しい」と感じてしまったから。




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