君の詩を聴かせて

―甘い愛情




 あれから…一応、円香に謝っといた。

 けど推薦はもう取り消せないからそのまま。

 そして俺も円香も、無事に内定を取った。

 北沢に行くのは俺含めてクラスで5人。

 その内3人が推薦。

 俺と仲良い人は誰1人いないんだけどね。

 ときは2月12日、俺は祥次に勉強を教えていた。

 祥次は一般組だからー。


「それでこれをxに代入すると」

「だぁぁもう数学とかいらん!」

「数学30点も行かないんだから頑張んなよ」


 じゃないと確実に落ちるから。

 祥次は他の教科は65点以上なんだけど、数学は別。

 数学だけは20点台なんだよね。

 数学が1番わかりやすいと思うんだけど。

 答えは1つだし、いつか出てくるものだから。

 まあ国語も好きだけどねー。


「だいったいこんなときに数式なんか考えられるわけねーだろ!」

「…何かあったっけ?」


 入試しか予定ないと思うけど。

 誕生日でもないしな…。


「何っだよそれ、僕興味ありませんー!ってか!?」

「…頭大丈夫?」



< 13 / 104 >

この作品をシェア

pagetop