君の詩を聴かせて



 勉強のしすぎで可笑しくなったか?

 そういう割にはしてないけど…。

 椅子の背もたれに肘をついて、頬杖をつく。

 どーせ、答えわからなかったんだろうな。


「おっ前はー!
 明後日何の日かわかってねぇのかよ!」

「明後日って…14日?」


 …あ、バレンタインデーか。

 でも俺甘いの嫌いだし。

 くれるのだって母さんと円香くらいだし。

 梨乃なんかチョコ1粒だし。


「バレンタインデーに世界の男たちは全てをかけてるんだよ!」

「ふーん、お疲れ」

「こいつむかつくー!」


 だって甘いもの嫌いなんだもん。

 バレンタインデーのせいで空気が甘いし。

 吐き気がしてくる…。

 なんか、放課後に居残ってるのがバカみたいだ。

 帰ろー。


「俺帰るから」

「は!?今この俺が数学ごときに倒されそうなんですけど!」

「数学ごときだろ、頑張れ」


 立ち上がって自分の席に向かう。

 後ろから薄情者ー!なんて聞こえるけど、無視。

 話脱線させたのは祥次のほうだ。



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