君の詩を聴かせて



「こっちはアオイ。
 こっちは円香、幼馴染み」

「川口 円香です、よろしく」

「あたしはアオイ!よろしくー」


 やっぱり、2人並ぶと本当に正反対だな…。

 まあ俺にはどうでもいいんだけど。

 軽く指を慣らす。

 何か弾くかなぁ…。


「あー…じゃああたし、約束あるから行くね。
 またね…」

「うん」

「またねーっ!」


 離れてく円香を横目で見ながら、指を動かしていく。

 …気まずそうだったな。

 もう、戻れないのかもなぁ…。

 ふう、と軽く息を吐いた。


「大和ってさ、円香チャンのこと好きなの?」

「、…あり得ないよ」


 俺が円香のこと好き、なんて。

 もしそうだったとしたら告白断ってないだろうし。

 …第一、好きってわかんないし。


「そおー?なんか、円香チャンのこと見る目が優しい感じしたんだけど…」

「気のせいだよ」



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