君の詩を聴かせて



 山浦と一緒にいて、俺も少し大人になった気がした。

 包容力?とか付いた気がする。

 琉愛と3人でいたら自然とそうなったっていうか。

 それから席についた。

 俺は廊下側3列目の前から2番目。

 琉愛は斜め前だった。

 担任の話を聞いて、掃除。

 同じ班の奴に掃除場所を聞いて、琉愛を引っ張って連れていく。

 俺たちは1学期、音楽室の掃除になっていた。


「…編入生」

「ん?」


 また編入生の話題?

 珍しくしつこいな…。


「…背、高かった」

「へえ、どのくらい?」

「…神田さんくらい」


 葵くらいか…。

 だったら160くらいはあるんじゃないかな。


「まあ琉愛にしたら大きいか」


 ぽふぽふと頭を撫でる。

 150しかない琉愛は小さくて可愛い。

 1年で結構身長伸びたし。

 今、174はあるかな。


「…むぅ」

「それより動物園のユキヒョウ、赤ちゃん生まれてるんだよね」

「…うん」


 少しだけ機嫌が直ったみたいだ。

 …哺乳類は偉大だ。



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