ヒレン
前まで着くと、入学式で隣に座っていた吉野李音が立っていた



「こんにちは。吉野さん」



舞子は思い切って声をかけた。



「あ。えーと、ごめん、誰だっけ」


「雪野です。入学式隣にいた」



「そっか、ありがと。もう名前覚えてくれていたんだ。李音でいいよ」




「じゃ、私も舞子って呼んで。実家が旅館だったから人の名前を覚えるのは得意なんだ」



「そうなんだ。よろしくね」




大学での初めての友だち。嬉しかった。

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