ヒレン
次の授業が休講であることを知ると

二人は構内にある喫茶に来ていた。


「舞子なんでこの大学に来たの?」


「医者になりたかったのと、ちょっぴり家を離れてみたくて。李音は?」


「うーん、助けたい命がある。かな。」



そう言って悲しく、愛おしそうな表情(かお)をした。


大切な人を懐かしむような。


「ねぇ、舞子の家ってどこなの?」


「M県の姫雪湖の方だよ。遊びに来て」


「・・・行きたいな。」

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