ヒレン
「え?」



「過去のこととか、ちゃんと甘えられてます?」



何?



扉が開くと秀明は降りていった。



どういうこと?


智のこと、確かにまだ和くんに言えてない。









私の初恋の相手



部屋に入ると携帯電話のメモリーを呼び出す。




思い当たる相手はただ一人



「…シンちゃん?」




「チコ。どうしたこんな時間に」




「ねぇ、秀くんに智のこと話した?」



時間にすれば十数秒



でも長く長く感じた沈黙の時間



「どうして?」




わかってしまった。



嘘をつくのが下手だね。



考えている時点で後ろめたい気持ちがあるってこと。

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