ヒレン
「えーっと」


家につくと、真っ先に履修の本を開き、授業を組み始めた。

 「必修は語学と概論と」

時間割をうめ、授業のシラバスを開いた。基礎となる概論の科目のページで二人の名前が目に入ってきた。


北秀明
長崎智子


「前期、後期で先生が違うんだ。私は前期は長崎先生か」


ホントは地元も考えた。

でもあのままだと気持ちを隠しきれない気がした。
だんだん強くなる「愛している」の思い。
隠したくない。認めてほしい。心のどこかでそう叫んでいる。


優太と神様に背いたのはもう5年前。

両親は隠しているみたいだったけど最初から気づいていた。

でも知らないふりをした。


幸せが壊れる気がして。



いつから?どこから?


わからない。背徳を犯すほど愛おしかった。


もう嘘を重ねたくない。そう思って家を出た。解決にはならないのに。ふと2人のことが気になりパソコンに向かい学校のHPにつないだ。

「あの2人大学と院が同じだ。長崎先生の方が2つ上か」


これから始まる新しいこと。不安、興味、いろいろな思いが交錯する。



新たなスタートが忘れられないものになる。





そんなことはまだ知らなかった。



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