ヒレン
「誤解するなよ。親友みたいなものだから。ちゃんといるし」



「す、すいません」



思わず頭を下げたとき、扉が開いた。


エレベーターを降り、1番端の智子の部屋へと歩いていく。


鍵を開け、中へ入ると、机の側に二人で腰を下ろした



「部長は何で和真先輩に言おうとしないんですか?先輩は知りたいと思うんですが・・・・・・」



「長崎が知られたくないと思っている以上言うのは・・・と思うし、同級生だったことくらいはって思ったこともあるけど、思い出してしまうからって。それに和真に知られたら間違えなく俺がソースだってことになるし」



「でも・・・・・・」



「普段は穏やかだし、見た目もおっとりしてるけど、怒らせると怖いんだ、チコは」



そう言いながら智子の方へいき、冷たいタオルを首元に置いた。


冷たさにわずかに身動きしたが目は覚まさなかった。


しかし、薬を飲ますのに起こさないわけにはいかない
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