ヒレン
「どんな感じでした?北先生?」



「比較的しっかりしたビジョンがある子が。」


「うちも。楽しみ。これからの計画の話も含めて、お茶でもどう?もう授業ないでしょ」


「いいですよ」


扉とカーテンを確認すると、智子の体を引き寄せた。


「駄目。見えないところで。それにこれ」


そう言うと智子は秀明の左手の指輪を指した。


「はいはい。続きはまた後で。出ましょう」


降参したように両手を挙げていたが表情(かお)は笑っていた。


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