ヒレン
メールと着信が優太からだと確認すると、舞子は0番を押した。

呼び出し音が耳に響いている。早く。

そう思っていると、智子が教室から出てきた。

そのまま隣の教室の秀明の元へと歩いていった。


「舞子?ごめん。授業中だった?」


「うん。今終わった。どうかした?」


1週間もたっていないのに。懐かしく聞こえる。長期休みがあるにしても、まだ6年も残っているのに。


「いや、瑛子さんが追加の荷物いつが良いか聞いてほしいって。」


優太はお母さんのことを名前でしか呼ばない。


「そっか。じゃあ日曜日のお昼に。」


「わかった。またな」


舞子は携帯をぎゅっと握り締めた。



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