〜last Love〜
■第10章 再会
雪が降りそうな冬の曇り空の中
公園のベンチに座り空を見上げ
「はぁ〜」
と白い息を吐く
毎年冬になると心結を思い出す
あの日からもう5年
心結はきっとどこかで生きている
そう自分に言い聞かせて生きて来た
もちろん1億円は受け取らず、自分の力で……
「寒いからどこか温かいところに行こうよ?」
「そうだな、」
俺の目の前をカップルがカラダを寄せ合いながら通り過ぎて行く
心結がいなくなって変わったことと言えば“人付き合い”