王様ゲーム
王国の扉
30歳。

旦那と別れてシングルマザーになった。
娘のまおが3歳になり、
保育園に入れ、私は働く
ことにした。

私は、折原愛美
(おりはらまなみ)。
アラサー真っ只中の30歳。
ずっと縁を切りたかった
旦那とようやく離婚し、
娘と二人暮しをはじめて
1ヶ月が経った。

かわいい娘のためには
父親がいたほうがよかったが、
あまりの相性の悪さを
どうしてもお互い埋めることが
できず、『離婚』という
選択になってしまった。

さみしいかなと思いきや、これがなかなか快適だった。
しかし、現実問題お金がなくては生活できない。

1ヶ月休んだので職探しをはじめていた。

そんな折り、友人のミホから一通のメールが届いた。

−−仕事見つかった?もしまだならいい話あるよ!


早速、私は電話をかけた。

『いい話って?もしかして怪しい系じゃないよね?』

「違うよ〜、私の知り合いの人からいい人いないかって頼まれたんだけど、家政婦なんだよね」


『えっ、家政婦?なぁんだ、あんまりいい話じゃないじゃん。』


「それがさ、かなりの月給もらえるんだよね」


『でも、掃除とかだよね?私、苦手なんだよねぇ。』


「うん、だから全然やる人が見つからなくてさぁ」


一応、金額を聞いてみた。

『ごっ、五十万??』


「そう!すごいよね〜。ちょっと怪しいかな、あはは」


『あははじゃなくて、それ完全に怪しいよ?私もやめとくわ〜ごめんね。』


そう言って電話を切った。

それから1ヶ月探したがいい仕事もなく、何度も断られ、
さすがに困っていた。

そんなある日、ふとミホの
話を思い出した。


(これだけ仕事ないんだし、
面接するだけしてみるか)

私はミホに電話をかけた。

『あの、さ、家政婦の仕事って
もう決まっちゃったかな?』


「あ〜あれ、わかんない。ちょっと聞いてみてまた連絡するね」


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