王様ゲーム
『聞いてるの?!』


甲高い女の声が響く。

窓際で一服していた俺の後ろ
から不機嫌な視線が突き刺さる。


「聞いてるよ、君の声しか
耳に入らないよ…」


窓の外を見ながら、
ダルそうにそう答えた。

返事がないので振り返ると

――…パシャッ


「帰るっ!もう二度と
こないわっ!
さっきから何回も話し掛けてる
のにうわの空で。こっちだって
ヒマじゃないのよっ!」


バタンッ―…


う〜シャンパンかけるなよ〜

水も滴るいい男的
シチュエーションいらないぞ。


こうしてこの1週間で
何人にふられたか…

俺は確かにうわの空だ。


愛美のことが気になって
仕方ない。


< 27 / 46 >

この作品をシェア

pagetop