ぴゅあ☆プリンス
「早く」
「……」
動こうとしない男の子だったけど、
蒼の言葉に、諦めたのかスタスタと早足で歩いてきて
ストンと静かに蒼の隣に座った。
飼い主とペット
みたい…。
「ほら朱夏も」
「あっ、うん」
呼ばれて、あたしはベッドから2人のもとに足を進めた。
目の前にいる男の子は、あたしになんとも言えない不思議な視線を向けてくる。
あ、黒猫だよ黒猫。
黒い髪も、黒っぽい服装も関係してると思うけど、なんだか男の子が黒猫に見える。
緩くふわふわの猫毛の髪が可愛い。
猫目なのか、目尻が少し上がっていて猫みたい。
それがまた男の子の綺麗な顔を引き立ててる。