ソレデモワタシハアナタヲアイス
「美咲と会うのなんて、卒業してから初めてじゃない?」
真由子は落ち着きなく何度も入り口に視線を運んでいる。
「何?真由子も卒業してから1回も美咲に会ってないの?」
俺は美咲の親友というポジションにいた真由子の顔を覗き込んだ。
「うん。電話やメールはしてたけど…でも、最近は全然、連絡取ってなくて、今日の事、連絡するのもちょっと緊張しちゃったんだよね」
真由子は苦笑してみせた。
「真由子らしくないね、緊張とかって。でも美咲、来るんでしょ?」
目を伏せた真由子に代わって今度は俺が入り口に目を向けてみる。
「うん。何か歯切れ悪い返事だったけど、来るって言ってた」
「そう…」
妙な沈黙が襲ってくる。
5年ぶりの親友との再会を目前に真由子はひどく緊張しているようだった。
「カレシとデートの予定でも有ったんじゃない?」
「それ、私も言ったし」
真由子の表情が少し和らぐ。
「それにデートじゃないって言ってた」
「ふーん」
高校を卒業してから俺は一度も美咲と連絡を取っていない。
連絡をする言い訳が見つからなかったからだ。
そのままズルズルと5年が過ぎていた。
そんな俺が美咲にカレシがいたり、東京で就職をしている事を知っているのは、真由子が連絡を取り続けていてくれたおかげだった。
「今日、古葉ちゃん、奥さん連れて来てくれるんだって。あ、まだ入籍はしてないから奥さんになる予定の人か。何か渋滞にハマってるって連絡来たけど…主役が来ないと始められないじゃん」
そう言いながら真由子が携帯を見た瞬間、レストランのドアに取り付けられたベルが鳴った。
真由子は落ち着きなく何度も入り口に視線を運んでいる。
「何?真由子も卒業してから1回も美咲に会ってないの?」
俺は美咲の親友というポジションにいた真由子の顔を覗き込んだ。
「うん。電話やメールはしてたけど…でも、最近は全然、連絡取ってなくて、今日の事、連絡するのもちょっと緊張しちゃったんだよね」
真由子は苦笑してみせた。
「真由子らしくないね、緊張とかって。でも美咲、来るんでしょ?」
目を伏せた真由子に代わって今度は俺が入り口に目を向けてみる。
「うん。何か歯切れ悪い返事だったけど、来るって言ってた」
「そう…」
妙な沈黙が襲ってくる。
5年ぶりの親友との再会を目前に真由子はひどく緊張しているようだった。
「カレシとデートの予定でも有ったんじゃない?」
「それ、私も言ったし」
真由子の表情が少し和らぐ。
「それにデートじゃないって言ってた」
「ふーん」
高校を卒業してから俺は一度も美咲と連絡を取っていない。
連絡をする言い訳が見つからなかったからだ。
そのままズルズルと5年が過ぎていた。
そんな俺が美咲にカレシがいたり、東京で就職をしている事を知っているのは、真由子が連絡を取り続けていてくれたおかげだった。
「今日、古葉ちゃん、奥さん連れて来てくれるんだって。あ、まだ入籍はしてないから奥さんになる予定の人か。何か渋滞にハマってるって連絡来たけど…主役が来ないと始められないじゃん」
そう言いながら真由子が携帯を見た瞬間、レストランのドアに取り付けられたベルが鳴った。