【短編集】エーテルの底で
「ねぇ!!そこの君!!」
あたしが階段から声をかけると彼は不信な目で振り向いた。
クールで利発そうな小学生ながら大人びた顔をしている。
一目で“あ、こいつモテるな”と感じさせた。
「……なんですか?」
声変わりのしていない高い澄んだ声はあたしに対するバリアで溢れている。
「コーラ買ってきてくれない?ほら、これで好きなもの買っていいからさ」
そう言って500円玉をひからせた。
小学生のガキなんて、これで楽勝でしょ?