短編小説の集い。
えりは左手の内側につけられた腕時計を確認すると、嬉しそうに僕を見た。
「なーつ。イルカショーの時間だよ!」
ショー会場には席いっぱいの観客が詰め寄せて、座る場所がなかった。
仕方なく、僕らは隅っこから立ち見をする事にした。
ショーが始まると、まもなく飼育員のお姉さんがステージに立ち、イルカを紹介した。
イルカのあいさつは見事で、恭(うやうや)しく頭を垂れる訳でなく、元気よく爽やかなお辞儀をした。
イルカの一芸一芸ごとに、拍手や歓声が巻き起こり、会場は一貫となってショーを楽しんだ。