短編小説の集い。
「それでは、今から会場のお客さんにもイルカと触れ合ってもらいまーす! では、イルカと触れてみたい人!」
飼育員のお姉さんの元気な声に負けじと、子供達は「はいはい!」と元気よく声を張る。
子供だなぁと思い、眺めているとすぐ傍からも声がした。
「はぁーい! はいはぁーい!」
えりが手を挙げているではないか。しかも何の恥じらいもなく、大人で挙げているのは、えりだけなのに……。
「やめろよ、えり」
「なんでぇ? イルカ触りたいんだもん」
「あれは、子供相手にだろ?」
えりの手を下げさせようと、必死になっていると飼育員のお姉さんの声が聞こえた。