白は花嫁の色

いつもいつも…姉ちゃんに愛されたくて仕方なかったんだ。

それが俺だったから。



「馬鹿だな…」

悲劇のヒロイン振りたい訳じゃなく、本当に俺は姉ちゃんあっての俺だったんだ…

余計に結城が憎らしい、あいつさえ居なければ俺の人生は充実していたのに。

知らない男に未来を奪われた。


…今の俺に姉ちゃんは惚れやしないだろう。

しっかりしなければ。もう来年は十六になるのだから。

早く大人になりたい。社会人になってお金を稼ぎたい。
お金が何でも解決してくれるのだから、お金が欲しい。


どうやら俺は、自分の生き方を見つめ直さなければならないみたいだ。


不本意ながら結城に与えられた部屋で、俺はやっと足を着いた。





子供のように星に祈るなら、

「おうじさまに、なりたい」


…王子様になりたい。


ずっと温めてきた たいせつな願い―――


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