不器用なカノジョ。
宝石みたいに輝いて





「よっしゃー!

今日も俺が1番!」


そう言って1人、ウハウハしているのは純だ。

ただ今、部活の真っ最中。


そして今さっきまでランニングをしていた。

1年生だけのメニューで、

個人のペースでグラウンド10周。



「良かったなー、純」

と、俺。


「おめでと、おめでと」

と、健。


「おい!お前ら!

気持ちがこもってない!」

なんて純は文句を言うが、

そんなの当たり前だろ。


だってお前の持ち味はその足と体力なんだから。


純は野球部の中で1番足が速い。

そして体力もかなりある。


ま、けど体力に関して言えば俺も健も負けてないと思うけどな。



「じゃあさ、純。

俺と、打撃勝負してみるか?


10球のうちどっちが多く外野に飛ばせるか」


純にそう挑戦的に言っているのは健だ。



「うっ…そ、それはやめとく」


賢明な判断だと思うぞ、純。


なんて言ったって健はバッティングセンス抜群で。

恐らく、10球あれば簡単に8球は外野にもっていくだろう。



「じゃあ俊輔と遠投の勝負したら?」


「それもやめとく!」


うん、純。

それも賢明な判断だ。


だって俺。

多分、うちの野球部の中で1番の強肩だと思うもん。







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