私を愛して


 「…最低」



なんなの?!


マロンは…何も分かってないわ。
私の気持ち…そう、たとえば

…マロンにはたくさん友達がいるでしょう。


 そうよ、だって、“国民”としていられるもの。

でも私は


パパと


記者たちと

マロンしかいなかったのよー…



 「っ…」



シルトみたいな人はいなかった…。

ー小学校、学校で話しかけてくれる人は先生と校長先生だけだった。
みんな私が通るとまるで、小間使いのように頭を下げる。
話しかけても、逃げる。
誰も相手にしてくれず、6年間をすごした。



ー中学。



私一人の個室を作られて、同学年と会うのを禁じられた。
そう、法律で。
廊下を通るときも、生徒は机にうつぶせて、シンッとしていた。
誰も、私の顔を知らないだろう。


ー高校。


やっぱり個室でただ一人先生と私でいるだけだった。






仲間はずれだった。



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