私を愛して

国のお姫様の足が大きくては、せっかくのドレスとかが台無しでしょう?
 そんなのやだ。女の子なら、可愛いまんまでいたいもん。

 「そのせいでよくこけます。靴、返してくださいませ」

 「無理だ!お前の足、本当は23cm位だ!22cmなんかはいてたら死んじまう!

 急いで靴屋!」


パンプは私の手をとり、裸足のまま走らせた。



わぁ!

裸足の感触!




痛い!

でも、地面の冷たさが感じられる!

初めて走ったはだしの感触

 私は今でもちゃんと覚えてる。

時々やるけど、今じゃ恥ずかしくてあまり出来ない。


 「ははは!」

 「なんだよっ!」

 「この感触…

 私、これがやりたかった…!

 やっと本当に自由になった気がするわ!」

 「プッ…そりゃぁ良かった!!」


私達は笑いながら走った。

周りからみれば絶対変だった。
 でも、そんなの気にしなかった。
だって、私たちが楽しかったんだもん。
それなら、それでいいじゃない。



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