私を愛して
「ねえ!早く水族園行きましょうよ!」
「なんだよ、分かってるって!」
パンプは私の手を取ると、走り出した。
温もりが感じる右手は
まるでコーヒーカップのように熱く感じて
暖かくて
ホッとした。
「ついた!」
「ハァハァ…ハァ…ここ?」
「うん」
おっきぃ!
水色の背景
ドーム型の屋根。
まるで魚が飛ぶように打ちあがる噴水
ルジルとみた噴水よりずっと綺麗だった
ライラにはこんなのがあるんだ…
国には絶対ない
かならず笑顔になれるところ。
私はしばらく噴水を見て、ボーッとしていた。
「入る?」
「もちろん…!」
私は入り口へと急ぐ。
中はどんなのかしら。
一体水族園ってなんなのかしら。
雑誌でたまたま見つけた名前なんだもの。
水族園がなにかよくわからない
カフェなのかな。
レストランなのかな。