私を愛して

 「食べ物?」

 「は?!違う…お前の国に合わせたら…あ!
これは電話だよ!で~ん~わ~!」



電話?

あのプルルルって鳴る?

あの?

 「嘘!」

 「本当だ!バカ」

バカ?

なにそれ。
カバの事ね!

でも、どこにカバがいるのかしら。

周りを見渡すけど、カバなんてどこにもいない。






 「よし!これから、10分くらい歩くぞ!」


歩く?


 「車は?!」

 「金かかるだろアヒル頭!」

アヒル頭ぁ!?



アヒルの頭?



ああ!


アヒルって可愛いって意味なのね!



 
私はルンルンと鼻歌を歌いながら、フラフラ歩いていく。

 「あ、おい!どこに行く」

 「え?」


そのたびに止めに来るパンプの顔が面白くて…

私は何度もパンプの元を離れる。

オロオロしながら、怒りながら

笑いながら、心配しながら。


彼の表情が一つ一つ

きらめいていて



思わず目を伏せる



ピアノの前にいるより、彼

外にいたほうが生き生きとしているわ!




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