私を愛して



 「いいの?!」


ラヴは魚から目を離して、顔を明るくするとニコッと俺に笑顔を向けた。


高鳴る俺の胸。
耳まで聞こえる音。






やば




かなり嬉しい。

ラヴの笑顔…


ヤバイ…



 「冗談だ!バカ…。食い物は一つだぞ」

 「やった!そふとくりーぬ!そふとくりーぬ食べたい!」

くりーぬ?


クリームの間違いだろ?

 「あの・・・姫」

 「?」

 「そふとくりーぬじゃなく、ソフトクリームですよ」

 「そっそうなの…?!」



真っ赤に頬を染めると顔を隠す小さなラヴ。

怒ったり笑ったり

表情がくるくるかわって

彼女にひかれていくのが自分でも分かった。



 「じゃ…そのそふとくりーむがほしい…///」

 「はいはい。何味?」

 「何があるの?」


俺の手を取る彼女は売店まで走った。

温かい柔らかい手。

随分小さいんだな。
身長も低いし、照れるとすぐ赤くなる頬はまるで苺みたいだ

髪の毛もフワフワして



なんだか綿菓子みてぇ


金色の綿菓子

食べてみたいな

夢の国の綿菓子。
俺はその国で何もしなくていいんだ。




< 61 / 81 >

この作品をシェア

pagetop