叶わぬ恋だとしても。
1時間目は、いきなり席替えだった。
5月に控えている修学旅行のために。
決め方は自由。
「芽依ー!一緒になろ?」
瑠璃は真っ先に私に声を掛けてくれた。
「瑠璃…うれしいけど、私となったら瑠璃はすごく大変だよ?気を遣うばかりになっちゃうよ…」
私がそう言うと瑠璃は悲しげな顔をした。
「芽依は瑠璃のこと、そんな風に思ってたの?芽依は瑠璃の大切な友達。芽依と一緒にいるとすごく楽しい。だから誘ったんだよ。芽依は瑠璃と一緒にいても楽しくない?」
瑠璃は、大人だね。
すごいね…。
「楽しいよ!当たり前じゃん!」
「それなら…いいじゃん。それに、芽依たちの間に瑠璃が入ることは、瑠璃が自分で決めたことだよ。瑠璃が大変かどうか、決めるのは芽依じゃない」
瑠璃の目は真っ直ぐ私を見ていた。
「ありがとう。修学旅行、楽しもうね」
友情ってこんな風に育まれていくものなんだ。
瑠璃から教わることは、本当に多いよ。