叶わぬ恋だとしても。


先生は、愛されてたじゃない。

風邪を引いた時に、お粥を食べさせてくれて、心配してくれる人がいたじゃない。

だんだんイライラしてきた。

「おまえの生い立ちは?」

「聞きたい?」

それなら、教えてあげるよ。

「父親の顔は知らない。母親は家を出て行って、どこかで男の人と暮らしてる。毎月お金が振り込まれてくる。風邪を引いたからって、怪我をしたからって、心配してなんかもらえなかった。私が…私が…ママのため息の原因だったの!」

私はソファから勢い良く立ち上がると、そのまま走り出した。


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