アナタだけのお姫様

「好きな奴にそういう表情されると辛いのって知ってる?」


「……?」


 ふっと微笑んだあと、侑也はあたしの頬に軽くキスをした。


 なんで――なんであたしイヤじゃない?


「宜しくね、俺のフィアンセ……とかいって!!」


 おいおい締めで笑うなよ!


 こっちまで笑うだろ!!


「ははははっ!! ウケる!! だからひよこも笑っとけ!?」


「あははっ! 侑也バカすぎ!!」


 ひとしきり笑い終わった後、侑也がまた微笑んでくる。


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