アナタだけのお姫様

 なんでこんなにトキめくんだよ。


 たかがキスの一つ……


「だから……笑ったほうがいいから、笑ってて」


「こないだも言われた」


「そう。ひよこが悲しそうな顔をした時、何度でも言うよ。でもちゃんとグチとかちゃんと聞くから何でもぶつけてこい!」



 ――その後、妙にスッキリした気分になった。


 心からの笑顔で侑也を送り出せたし、素敵な年になりそうな予感がしたんだ。


 ひなが引っ越しちゃうまでに、あたしは強くなりたい――


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